2011年07月08日
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感想・国際電子出版エキスポ

Written By: 川俣 晶連絡先

「やたら出歩いてるな」

「そうじゃない」

「えっ? 違うの?」

「話はこうだ。まず、なぜか販促エキスポの招待券が届いたので行った。すると、国際ブックフェアの入場券をもらった。そこでイーストの下川さんにメールしたら、下川さんがセミナーで講師をすることが分かったので、セミナーを聞きに行った。セミナーで国際電子出版エキスポの招待券をもらったので、セミナーの帰りに見てきた」

「なるほど」

「待て待て。まだ話は終わってない」

「へっ?」

「国際電子出版エキスポで受付を済ませると販促エキスポの招待券をもらったのだ」

「一回りかい」

セミナー感想 §

「アイドックの成井秀樹さんの『利益を生み出す電子出版物制作手法の現実解』が特においらには良かったな」

「それはどうして?」

「採算性というものをきちんと考えていたからだ」

「それは重要?」

「もちろん最重要課題だ」

「どうして?」

「ここ10年ぐらい、うちに来る話のほとんどは採算が取れていないからだ」

「将来に期待ができれば、割安でもやるべきじゃないのか?」

「それも含めてだよ。将来はもっと儲かるから……という言い分は、根拠が薄弱だとリスク要因が大きくなって採算ラインをかえって上げてしまうだけだ」

「問題はMacintoshとかLinuxとかiPhoneの仕事はやりたくないってことじゃないの?」

「それは誤解している。それらの仕事は採算ラインが大幅に上昇するにも関わらず、逆に値切ろうとする奴らばかりなので、論外として蹴っているだけなのだ」

国際電子出版エキスポ感想 §

「実際は、教育ITソリューションエキスポ、東京国際ブックフェア、ライセンシングジャパンが併設で、境界はあまり明瞭じゃ無いのだけどね」

「それでどんな雰囲気だった?」

「露出の多いコンパニオンのお姉さんがけっこういた。確かにIT系だ」

「中身についてはどうなんだよ」

「軽く一周しただけなんだが、印象があまり残らない」

「えっ?」

「つまりさ。人が多くてブースが多いのだけど、どこにいってもiPad型のスレートが置いてあって違いが良く分からない。参入している企業は多いが、違いが印象として出にくい。もちろん違いはあるのだろうが、とても1社1社立ち止まって説明を聞く気になれないほど出展企業が多すぎる」

「じゅあ君の結論は?」

「電子出版なめるなよ。1990年代ぐらいから延々と続いていて、未だにものになってない世界なんだ。iPadブームに便乗して参入した程度で儲かりはしないぞ。実際に歩くと落とし穴だらけだ」

「わははは。じゃあどうしらいいの?」

「経験者を雇え。最初から落とし穴を知っている」

「誰を雇えばいいんだよ」

「オレだよオレ。今この瞬間は次の仕事は決まってないから雇えるぞ」

「ぎゃふん」